市に行って、いつも感じる事は、居合や試斬に向く刀が
意外に少ないと言うことです。
市に集まる刀剣商の方々は、基本的に美術刀剣の方たちですから、
ある意味、当たり前かも知れませんが。
昨日も、獲物は一振りだけでした。
市ではそうですが、昨日買取り依頼があって、
買った刀は、居合に使われていただけあって、
そのまま、居合や試斬に直ぐ使用出来そうな刀でした。
やっぱり、居合に使う刀は、居合に使われていた刀を
売ってもらうのに限るかも知れませんね。
皆さんの所に眠っているお刀は有りませんか?
当店の場合、基本は小売専門なので、良く新聞広告等で見る様な
買取り中心の刀屋さんに比べると、
高値が付けやすいです。
もちろん、商売なので、売ってる様な価格では買えませんが。
買取り中心の刀屋さんの場合、市で業者に売るのが中心と成ります。
業者間の場合、基本的には、クレームは来ません。
下手な事を言えば、「もう少し勉強してから来たら。」の
一言で片付けられてしまいます。
しかし、小売の場合はそうはいきません。
お客様によっては、その後のアフターフォローが大変難しい方もおられます。
基本的には、ほとんどが中古品と言うことになりますので、
多少の傷や痛みはない方が不思議です。
しかし、一般のお客様の場合、その人の性格に寄りますが、
大変細かなところが気になる方も結構居られます。
つまり、クレームと隣り合わせの仕事に成ります。
買取り中心の刀屋さんの場合、それを嫌がる事か多いので、
クレームにならない業者売りを中心にすることになります。
ただ、仕入れに来る業者さんに売るので、小売価格より安くなくては、
買う業者が居ません。
なので、あまり高くは買い取りをすることは、難いのです。
一度、当店に持ち込まれて、査定させて頂いた後、
査定額が納得出来ず、一旦持ち帰られる事もよく有ります。
皆さん、買値を考えれば、もっと高いと思いたいですから。
でも、殆どの場合、一週間くらいで、また、来店されます。
素直に言う方も居られますが、大抵、他の刀剣店も回られたのだと思います。
でも、現実は厳しく、結局戻って来られる方が多いです。
私は、売られる方の気持ちも少しは考えてしまうので、
商売人としては失格なのかも知れません。
でも、売って頂いたお刀が、誰かに大切にしていただける事を祈りつつ、
新しい使い手を探すお手伝いをさせてもらいたいと思っています。
郵送での見積もりもさせて頂いています。
長年の思い入れのあるお刀を手放そうと思われた時は、是非お声掛け下さい。